中野龍三
国会議員に支給される文書通信交通滞在費(文通費)について、北海道の鈴木直道知事は19日の定例会見で「使途の方向性が定まっているので、使わなかったのなら戻すのが一般常識的な価値観だ」と述べ、国会などでの見直しの議論が必要との考えを示した。
鈴木知事は「経費として使うのなら、当然使った経費は見えるようにする。報酬を上げてほしいということであれば、国民に話をし、納得の声が多ければ認められる」と持論を展開。「過去に何度も提起されてきた問題だが、今回は『在職1日だけで月100万円』だったので話題となった。この際、国会議員みんなで、国民も含めて議論して方向性を出すのが大事だ」と述べた。
鈴木知事は2011年から北海道夕張市長を2期務め、財政破綻(はたん)した市の立て直しに奔走。19年に知事に転身した後は、道の厳しい財政状況から、自身の給与、ボーナス、受け取る予定の退職金をそれぞれ30%削減している。
鈴木知事は「全国最低水準の報酬で知事をしている。政治家が自らを律することは重要だと思って仕事をしてきた。そういう価値観からすれば、議論は必要だ」と語った。(中野龍三)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル